
★イベント終了レポート「バックステージツアー ~能舞台に上がろう!!舞台裏見学~」 (2013年11/30(土)開催)
2013年12月15日
☆当ホールのボランティアライターズの方によるレポートです☆
公演や講座の雰囲気や感想を、みなさまに発信する活動をしています。
各回15名ずつのバックステージツアーを開催いたしました。普段見学することのできない、舞台裏や1年のうち限られた期間のみ設営される、白木総檜造りの本格的ば組立式能舞台にて、アドバイザー伊藤明氏(千葉市能楽連合会能楽普及委員会)に説明・能の動きをご指導いただき、参加者の方に体験していただきました。
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生涯最初で最後?の檜舞台
知っていると知らないでは格段の差、体験するとしないでは雲泥の差。
今回《能舞台バックステージツアー》に参加して、更にそう確信しました。
千葉県に数ある文化ホールの中で、ここ青葉の森公園芸術文化ホールは唯一本格的な組立式能舞台を有しているホールです。そこで能の舞台裏が見学できるとのことで興味津々参加しました。
着物に袴をお召しになった、千葉県能楽普及委員会の方がガイドをしてくれました。いろいろ興味深いものがあったのですが、その中でも心に残ったものは演者が付ける面(おもて)でした。250程ある中から、若女(わかおんな)、曲見(しゃくみ)、十六(じゅうろく)、平太(へいた)という四つの面の説明を受けました。一見無表情に見える面が顔の角度を変えたり動かす早さを変えると、微妙に喜怒哀楽の表情が出てくるのです。間近に見ますとまるで面に魂が宿ったかのような錯覚さえ覚え背筋がゾクッとしました。十六という面は16歳で亡くなった敦盛(あつもり)を演じる時つける面で、何と笑窪(えくぼ)まで付いて初々しい若者の顔でした。それらの面を私達は自由に触り顔に近づけて見ることが出来ました。面を通して見ると視野が非常に狭くなり舞台が見えづらくなります。能の動作がゆったりしている理由の一つは狭い視野にもあるようです。
最後に舞台に上がって客席と対峙することができました。檜の舞台を保護する為に、白足袋で舞台に立った参加者達は感無量の面持ちでした。そして私は人生最初で最後かもしれない、本当の檜舞台に立つことが出来ました。
ボランティアライターズ 篠塚緑
街はクリスマスモード一色になりました。早いもので、年の瀬ですね。
去る11月30日、「バックステージツアー ~能舞台に上がろう!! 舞台裏見学~」が開催されました。伊藤朗さん(千葉市能楽連合会能楽普及委員会)の説明を伺いながら、参加者15名が普段見ることのできない舞台裏や楽屋を見学しました。また、白木総檜造りの本格的な組立式能舞台に上がり、扇を片手に能の動きを実際に体験することもできました。
通常の舞台とは全く異なる別世界の空間で、日本の伝統文化を学ぶ貴重な機会となりました。
まず、「鏡の間」で、竹竿を使った揚幕の上げ下げを体験し、幕の重さを実感しました。実際の舞台では、後見という役割の方が担当されるそうです。
次に、「橋掛り」(揚幕から本舞台へとつながる長い廊下部分)で、能面(面:おもて)を顔に当ててみました。能面は、人間の顔よりも小さく、顔に当てると顎が能面からはみ出すようになっています。そして、能面の目の位置は、演者の通常の視線よりも上にズレています。しかも、大半の能面の目は瞳の部分しかあいていないため、演者は視界が狭くなると同時に、距離感もつかめなくなります。このような演者を救うために、目付=目印となる「目付柱」があります。
最後に、「本舞台」に上がって、扇を片手に能の動きを実際に体験しました。視界が狭くなっている状態で、手や足を動かしながら、扇を使って、能を演じられている方の苦労の一端を感じることができました。
なお、ホールに能舞台が設営されるのは、1年のうちに1週間程度とめったにないことのようです。みなさんも、是非一度青葉の森公園芸術文化ホールで、能を鑑賞してみてください。
ボランティアライターズ 竹崎将
今後とも、青菜の森公園芸術文化ホールにご協力いただいております、
ボランティアライターズ公演レポートをお楽しみください。
